役目を終えた飛行機の行き先は…
新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くのフライトが欠航になり、訪日外国人観光客が99.9%減少など、引き続き海外渡航については深刻な影響が出ております。ここでもう1つ、新型コロナが航空業界に及ぼした影響を取り上げたいと思います。 エールフランスKLMグループは、日本からもパリへの定期便を持つエールフランス航空の運航するエアバスA380型機退役を早めると、2020年5月末に発表しました。当初は2022年までに段階的な引退を予定していたものの、新型コロナウイルスの感染拡大による経営状況を鑑みて予定を早めました。他にも中東系航空会社のエミレーツ航空も、需要の減少のためにA380型機46機の引退を発表しました。 さて、ここで…「引退した後、飛行機はどうなるの?」「後継機はどうするの?」と疑問に思いませんか。この2つの疑問について触れていきたいと思います。
1. 引退した飛行機の行き先
A380と言えば2019年5月からANAが成田⇔ホノルル線に導入を始めた「FLYING
HONU(空飛ぶウミガメ)」を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。旅行者への配慮が多く見られる機内設備が特徴で、複数席をベッドのようにつなげることができる「ANA
COUCHii」やリコッタパンケーキで有名な「bills」と共同開発された特別機内食等、たくさんの魅力があります。是非一度は乗ってみたいですよね。
話がそれてしまいましたが…A380の最大の特徴ともいえる「スケールの大きさ」です。なんと全長は約73m!幅は約80m!全高は約24m!2階建て構造の見た目のインパクトは思わず目を奪われてしまいますね。
※「FLYING HONU(空飛ぶウミガメ)」の魅力についてもっと知りたい!という方はこちらのコラムをご一読ください(https://www.iace.co.jp/bts/column/detail/20210615_25.html)
さて、この巨大な機体を作るには当然、たくさんの金属が使われています。中でも最も材料として使われているのが「アルミニウム」。軽量で丈夫であることが機体素材の需要に適しており、A380は6割がアルミニウムで出来ています。巨大なA380を作っているアルミニウムが全てゴミになると考えたら、大変ですよね…。
そこでエアバス社はリサイクル研究を進めています。リサイクル作業は付着した燃料、油、水、有害物などを全て取り除くことから始められます。そして解体・分解の結果、現在の技術で再利用できるのは全10万6000kgのうち85%にあたる9万100kg、のこり15%はゴミとして処分されています。これからも再利用の研究は進められる見込みなので、技術の進歩に期待したいですね!
しかしこの解体・分解作業が私たちの利用する空港で行われているのを見た人はいないはず。ではどこで行われているのでしょう?
実は…飛行機にも「墓場」と呼ばれる場所があります。引退するとこの「墓場」まで連れていかれるという訳です。その中で最大級を誇るのがアメリカのアリゾナ州にある「デビスモンサン空軍基地」。第2次世界大戦中は爆撃機の訓練基地として使われていました。役目を果たした飛行機たちが整然と並べられている様子は何とも言い表しがたいものがあります。どうしても気になるという方は、JALがパッケージツアー販売をしていることがありますので、必見です。
2. 後継機はどうする?
A380の引退を決定したエールフランスKLMグループ、エミレーツ航空はともに、その後継機として787やA350の名を挙げています。
同じエアバス社のA380とA350ですが、大きな違いはそのスケールです。A380は総座席数544席であるのに対し、A350は325席です。
全長は約10mも違います。他にも違いはありますが、両機材の共通点と言えるのは「航続距離」です。いずれも15,000kmも持続飛行が可能です。つまり、1台で多くの人を遠くまで運ぶことから、中型機で許容旅客人数を減らすことを選択したと言えます。これからの需要の変化がどうなるか分かりませんが、飛行機から航空会社の戦略が分かってしまう訳です。あの大型機を目にする機会が減ってしまうのは寂しいかもしれませんが、替わって就航する機材の魅力を知り、是非体験してみたいですね!
3. まとめ
目的地に行く手段として利用される飛行機。今までは出発地と目的地、何となく都合がよさそうな時間帯から搭乗する便を決めていた方もいらっしゃるかと思います。今回はかなり簡略化した内容ではございましたが、こちらの記事をきっかけに少しでも機材に興味を持っていただき、次に飛行機を利用される際に「今日はどんな種類の機材に乗れるのかな?」と注目していただけると幸いです!
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※本書の内容は、本書執筆時点(2022年11月1日)の内容に基づいています。